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平成19年1月 第2259号(1月17日)

平成19年度文科省高等教育局予算案 大学教育改革の支援充実 21億円増
  産学連携による高度人材育成52%増の強化

 新規事業「社会人の学び直し」プログラム18億円
  「社会ニーズ対応の学生支援」プログラム16億円

平成十九年度の文部科学省予算案のうち、高等教育局所管事項では、大学改革の取組が一層促進されるよう、競争原理に基づいて、「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」、「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」等の新規事項を含めた多元的できめ細かなプログラムを展開する『国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実』を強化するほか、『地域医療、がん等に関わる医療人材養成機能の強化』や『産学連携による高度人材育成の充実』等を図るものとなっている。主要事項の概要は次のとおりである。なお、私学助成関係については、前号(一月十日付)を参照のこと。(以下、予算額の表記は、百万円未満を四捨五入し、【 】内は前年度予算額との増減を表す。▲印は減)

現代GPは地域活性化、環境教育、キャリア教育など公募

一、国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実
(1)国公私立大学を通じた大学教育改革の支援の充実一四九億九二〇〇万円【二〇億八三〇〇万円】=@課程に応じた教育内容・方法の高度化・豊富化の充実
▽特色ある大学教育支援プログラム
 三〇億九七〇〇万円【▲三億八〇〇〇万円】、A現代的課題に対応できる人材養成と大学の多様な機能の展開
▽現代的教育ニーズ取組支援プログラム
 五〇億八八〇〇万円【四億九八〇〇万円】。
▽大学教育の国際化推進プログラム
 一七億八四〇〇万円【▲一億一六〇〇万円】〈新規〉
▽社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム
 一七億六〇〇〇万円…大学・短期大学・高等専門学校における教育研究資源を活用しつつ、関係団体等と連携しながら社会人(ニート等を含む)の学び直しニーズに対応した教育プログラムを展開する優れた取組を支援。
▽新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム〈新規〉
 一五億九〇〇〇万円…各大学・短期大学・高等専門学校が実施する新たな社会的ニーズに対応した優れた総合的な学生支援(学生の入学から卒業までの全体を通じた修学支援、学生相談、就職支援、課外活動支援、障害学生支援などの体系的な学生支援)の取組を支援。B社会の要請に応える専門職業人養成の推進
▽専門職大学院等教育推進プログラム
 一三億一二〇〇万円【▲一二億三一〇〇万円】
(2)世界最高水準の卓越した教育研究拠点形成と大学院教育の抜本的強化四二五億四〇〇万円【五億四〇〇万円】
▽グローバルCOEプログラム〈新規〉
 一五七億五八〇〇万円…「二十一世紀COEプログラム」の成果を踏まえ、世界的な卓越した教育研究拠点形成をより重点的に支援。特に若手研究者の育成と国際的な拠点形成を強化(大学院博士課程レベルの専攻等を対象に、十九年度は、生命科学、化学・材料科学、情報・電気・電子、人文科学、学際・複合・新領域の五分野で六〇件程度を採択予定。一件当たり年間五〇〇〇万円〜五億円程度を原則に五年間継続的に交付)。
▽大学院教育改革支援プログラム〈新規〉
 三五億円…産業界をはじめ社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を養成するため、大学院(博士課程・修士課程)における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援。
▽二十一世紀COEプログラム
 二二〇億二〇〇〇万円【▲一五七億八四〇〇万円】…平成十五、十六年度採択拠点の継続支援。
▽「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
 一二億二九〇〇万円【▲二九億七一〇〇万円】…平成十八年度採択拠点の継続支援。
(3)地域医療、がん等に関わる医療人材養成機能の強化二七億五〇〇万円【一四億一三〇〇万円】
▽地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム
 一三億五〇〇万円【一三〇〇万円】…十七、十八年度選定大学への継続支援のほか、十九年度の新規公募は、女性医師・看護師の臨床現場定着及び復帰支援、臨床研究・研究支援人材の養成。
▽がんプロフェッショナル養成プラン 〈新規〉
 一四億円…がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師等、がんに特化した医療人の養成を行うための大学(大学院、大学病院も含む)の取組を支援。
(4)産学連携による高度人材育成の充実一三億三二〇〇万円【四億五五〇〇万円】
▽派遣型高度人材育成協同プラン
 二億三四〇〇万円【▲一三〇〇万円】…産学協同による、大学院生を対象とする、企業現場等の実践的環境を活用した質の高い長期インターンシップの開発・実施を支援。
▽先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム
 七億九八〇〇万円【一億六八〇〇万円】。
▽ものづくり技術者育成支援事業〈新規〉
 一億五〇〇〇万円…大学等を対象に、地域や産業界と連携した実験・実習と講義の有機的な組合せによる教育プログラムの開発・実施を通じ、ものづくり分野を革新させる高度な知識及び技術を併せ持った技術者の育成を支援。選定件数は一〇件程度を予定し、年間一五〇〇万円程度で三年間継続。
▽サービス・イノベーション人材育成推進プログラム〈新規〉
 一億五〇〇〇万円…経済学などの社会科学、工学などの自然科学等の融合等による新たな知識の体系化等を通じた教育モデルを構築し、サービスに関して高いレベルの専門性を持ってイノベーションを創造しうる人材の育成を支援。選定件数は五件程度を予定し、年間三〇〇〇万円程度を三年間継続。
 二、国立大学等における教育研究の充実と活性化一兆二〇四三億七七〇〇万円【▲一七一億一〇〇万円】=各国立大学等の教育研究基盤を支えるために必要な運営費交付金など(東京大学八九九億四三〇〇万円、京都大学六〇八億七四〇〇万円、東北大学五一八億九九〇〇万円、大阪大学五〇五億三八〇〇万円、九州大学四六九億六三〇〇万円、筑波大学四三三億九五〇〇万円、北海道大学四一一億九二〇〇万円、名古屋大学三四六億五五〇〇万円など)
 三、教育費負担軽減のための奨学金事業の充実一二二四億一二〇〇万円【九〇一億四〇〇〇万円】(財政融資資金三八三二億円【三五九億円】)
 日本学生支援機構奨学金事業として、貸与人員の増員(無利子奨学金:四六万七〇〇〇人【七〇〇〇人増】、有利子奨学金:六七万六〇〇〇人【四万五〇〇〇人増】)を図る。事業費としては、無利子奨学金:二七七七億円【五六億円増】、有利子奨学金:五七二七億円【四四八億円増】。
 四、留学生交流の推進四〇六億一三〇〇万円【▲六億三九〇〇万円】=@国費外国人留学生受入れの充実二二二億八五〇〇万円【▲四億五一〇〇万円】、A私費外国人留学生等への援助一三一億五〇〇〇万円【二二〇〇万円】/▽学習奨励費(大学・専門学校等:一万一三七五人、日本語教育機関:六七五人)のほか、授業料減免学校法人援助三三億円、短期留学推進制度一八億円(受入:一七〇〇人)など。B日本人学生に対する海外留学支援の充実九億一八〇〇万円【一億五八〇〇万円】/▽長期海外留学支援四億円(派遣:一五八人)。▽短期留学推進制度五億円(派遣:七二〇人)、▽このほかに、奨学金貸与制度(有利子)による海外留学の支援二七億二一〇〇万円【▲六億四二〇〇万円】(貸与人員:二六三七人)。C留学生に対する教育・研究指導の充実等四二億六〇〇〇万円【▲三億六七〇〇万円】…地域における留学生交流の推進、大学等における留学生への教育・研究指導の充実等。

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