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平成18年12月 第2256号(12月13日)

日本医科大学
  野口英世博士生誕130年 記念特別講演会・史料展

 去る十一月二十六日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、日本医科大学の前身である「済生学舎」出身の世界的な医学者・野口英世博士の生誕一三〇年を記念した特別講演会と史料展が、学校法人日本医科大学(赫 彰郎理事長)と日本医科大学同窓会(馬越正通会長)の共催で開かれた。約八〇〇人の参加者は野口博士の偉大な業績と生涯を振り返っていた。後援は文部科学省、読売新聞東京本社、財団法人野口英世記念会。
 記念講演会は同施設ホールCで行われ、講演を前に馬越同窓会会長の開会挨拶があり、司会の須磨佳津江氏(元NHKキャスター)から、内閣府大臣官房に新たに設けられた野口英世アフリカ賞準備室の塚田玉樹室長と大山研次氏の紹介があった。
 講演会は、医史の第一人者である酒井シヅ順天堂大学客員教授、唐沢信安日本医学史学会評議員(同大学同窓生)、添一郎野口英世記念会会長・東京歯科大学名誉教授の順に行われた。
 酒井氏は「野口英世の魅力」と題し、左手のやけど幼少時代の極貧のハンディキャップを不屈の精神で乗り越え、一時はノーベル賞の候補にも挙げられながらも黄熱病の研究で自らが犠牲となったドラマ性は、野口博士の生涯を語り続ける人々が絶えない所以であり、魅力でもあると語った。
 唐沢氏は「済生学舎時代の野口英世」と題し、野口博士の済生学舎時代(明治二十九年から約一年間)の史料や直筆の履歴書、左手の手術の史料等貴重な史料をスクリーンに映し講演した。
 添氏は「野口英世に学ぶ」と題し、「野口博士の卓越した研究業績には深い洞察力と徹底した検証があってはじめて得られた。そこに至るまでの強い意志、弛まぬ努力がうかがわれ、野口博士の心には深い人間愛があった」と語った。
 講演会参加者は没後八〇年余り経った現在でもなお語り継がれる野口博士の功績と魅力について熱心に聴き入っていた。
 講演の合間にはDVD「野口英世 人類のために」が上映され、更に野口博士の留学先である米国・ロックフェラー大学(当時はロックフェラー研究所)学長でノーベル賞受賞者のポール・ナース氏からの祝電が披露された。
 ホールD5で行われた史料展は、野口博士直筆の手紙、ノートや研究で使っていた顕微鏡等が展示され、終了の一八時まで多くの観覧者が貴重な史料に見入っていた。

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