Home日本私立大学協会私学高等教育研究所教育学術新聞加盟大学専用サイト
教育学術オンライン

平成18年11月 第2252号(11月1日)

第12回 衛星通信教育セミナー開催

「科学技術と芸術」テーマに

(財)衛星通信教育振興協会(齋藤諦淳理事長)は、去る十月十三日、東京・武蔵野市のNTT武蔵野研究開発センタにおいて、「社会の原動力としての科学技術と芸術」をテーマに衛星通信教育セミナー二〇〇六を開催した。一二回目を迎えた同セミナーは、科学技術の進展が人間と社会へのインターフェイスを持ち、人文科学・社会科学・自然科学の幅広い領域と融合したものでなければならないとの考えに基づき、今後の科学技術の発展に貢献することを目的にしている。
 齋藤理事長は「今世紀はサイエンスアートの時代といわれ、科学者・技術者・芸術家がそれぞれの知性や創造力を統合して新しい知的文化を創る世紀と言われている。今回は知的文化が社会の原動力になるといった観点をテーマとして、沢田敏男京都大学名誉教授(平成十七年度文化勲章受章)に特別講演をお願いした」と開会の挨拶を述べた。
 基調講演で沢田氏は「科学技術がますます進展するとともに、芸術文化の進展が盛んとなり、“サイエンス・アンド・アートの時代”を迎える。そして、科学技術的な理性と芸術的な感性との融合による新しい文化の創造が一層重視されるであろう」と述べた上で、ダムや水路といった水利構造物の計画、設計に携わる科学者、技術者としての豊富な経験を語った。
 特に印象に残っているというフランスのローズラン・ダムのアルプスの大自然に調和したアーチとバットレスの複合ダムの景観のすばらしさを挙げた。そのほか、数多くのダムや明治二十三年の京都の再興を図り、いわゆる哲学の道などを生み出した琵琶湖疏水の例を紹介し、水利施設の建設によってできる水面や岸辺を工夫活用して、快適な親水性空間を創成することが望まれるなどと強調した。
 次に、「情報通信業界の最近の動向」と題して、日本電信電話(株)の丸野 透第三部門R&Dビジョン統括部長が講演した。
 丸野氏は、日本の情報通信サービス加入者数(固定電話数五八〇八万、IP電話数一一四六万、携帯電話数九七六四万、インターネット接続数一億一三〇三万)やブロードバンドアクセス料金比較、光アクセス整備状況、通信と放送の連携・融合、海外の状況など最近の情報通信の動向を紹介した。

Page Top
a