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平成18年8月 第2242号(8月9日)

“1年次教育”で公開研究会  私学高等教育研究所

 私学高等教育研究所(大沼 淳所長)は、去る七月二十五日、東京・九段のホテルグランドパレスで第二九回公開研究会を開催し、一年次(導入)教育の意義と課題について発表と議論が行われた。
 講師は、同研究所研究員の山田礼子同志社大学社会学部教授、杉谷祐美子青山学院大学文学部専任講師、沖 清豪早稲田大学文学学術院助教授で、同氏らが手がけてきた研究テーマ「効果的導入カリキュラムの開発」の成果が報告された。
 近年の大学入学者の多様化に伴い、各大学ではオリエンテーションの強化など一年次教育に力を注ぐようになっているが、これまで一年次教育の実態把握や体系化が行われていなかった。これを受けて同氏らは、二〇〇一年十一月に、全国私立大学一一七〇学部長を対象とした、私立大学における一年次教育に関する調査(杉谷氏が報告)、二〇〇三年七月に、一年次教育プログラムを実践している授業の受講生を対象とした調査(沖氏が報告)を行った。加えて、山田氏が一年次教育における日米の比較を行うとともに、同志社大学における一年次教育の導入教育モデルの開発について紹介した。山田氏は報告の最後に、「これからは、学士課程教育の一環として一年次教育を位置づけていく必要がある」と繰り返し述べた。
 会場との議論では、「実際には導入教育に積極的な教員に負担が偏ってしまい、協力者をいかに増やし、導入教育の担当者をどう元気づけるかが今後の課題になるだろう」などの意見等が出された。
 なお、同研究成果は私学高等教育研究叢書として同研究所より刊行されている。

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