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研究成果等の刊行

No.51(2013.10)

「中長期経営システムの確立に向けて」

講演者:篠田 道夫、増田 貴治、両角 亜希子

はじめに

私学高等教育研究所主幹 瀧澤 博三

 平成10年代は、私学の経営を計画的安定性から自由と競争と淘汰の時代に導くべく、政策の大転換が行われた時期として大学の歴史にも残るのではないでしょうか。規制改革政策によって大学設置の自由化が進められるとともに、これに呼応して中教審の「高等教育の将来像」答申(平成17年1月)では、高等教育の計画的調整を政府の役割とする考え方の放棄を宣言しました。こうした政策の中で、長期化する18歳人口減が私学の経営破たんを生むことは当然予想されながら、これに立ち向かおうとしたものは財政支援等の政策ではなく、個々の私学の経営力強化の唱導ぐらいでした。たまたま国・公立大学も法人化によって"経営"の自己責任を担うことになり、大学は国・公・私を挙げて、新しい経営システムの実践に取り組むことになったわけです。
 私学高等教育研究所が「私学経営システムの分析」プロジェクト・チームを立ち上げたのは、このような時代の色彩がはっきりしてきた平成15年でした。以来、理事会の機能、財務の運営、職員の資質向上をそれぞれテーマとした3回のアンケート調査を実施し、私学の経営システムの実態と改革動向の分析を行ってきました。一昨年(平成23年)には、本プロジェクトのメインの課題としていた中長期経営システムに関するアンケート調査を、関係の皆様に再々のご迷惑をおかけして実施し、その結果の分析を行ってきました。第55回の研究会ではその成果の一部をそれぞれ担当のチーム・メンバーから発表させていただきました。
 大学経営の現状を考えるうえでの参考として役立てていただければと思います。

  1. 篠田 道夫 氏(日本福祉大学常任理事)
    【講演】「実効性ある中長期経営システムの構築に向けて」(PDF形式)
  2. 増田 貴治 氏(愛知東邦大学理事・法人事務局長)
    【講演】「小規模大学における中長期経営システムの諸問題」(PDF形式)
  3. 両角 亜希子 氏(東京大学大学院教育学研究科講師)
    【講演】「私立大学の中長期経営システム-アンケート調査からわかったこと」
  4. 岩田 雅明 氏 (経営コンサルタント)
    【コメント】「中長期経営システムの確立に向けて-第55回公開公開研究会の報告と提言から」(HTML形式)

*** 「関連資料」部分等は割愛しました。 ***