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平成18年12月 第2255号(12月6日)

高等教育の重要課題を討議 関西、九州支部が秋季総会

 日本私立大学協会の関西支部(支部長=森田嘉一京都外国語大学理事長・総長)は去る十一月二十日に、九州支部(支部長=西村駿一別府大学理事長)は同二十一日に、それぞれ平成十八年度の秋季総会を開催した。

関西支部

 会場の京都市内のホテルには、所属する七二大学から五四大学五九名の代表者らが出席。開会にあたり、森田支部長は「支部運営に対するご理解とご協力に感謝したい。私学助成の削減の問題や国立大学の学生募集のあり方など、わが国の高等教育の将来を左右する重要問題が次々に発生してきている。このような厳しい情勢の時こそ連携を図り、一致協力して問題解決に努めていかなければならない」と挨拶した。
 議事では、新年賀詞交歓会を、来る平成十九年一月十一日に、大阪ガーデンパレスで開催することを確認した後、六月六日の春季総会以降、新たに同協会の評議員となった八名が紹介された。続いて、同支部役員として、大阪工大摂南大学の坂口正雄理事長と神戸薬科大学の津波古充朝学長が選任され、会場は大きな期待の拍手に包まれた。また、六月三十日に開催された初任者研修会については、四四大学一一六名の参加者を得て、所期の目的を達成することができたとの報告があった。
 本部報告として、小出秀文同協会事務局長が、十月六日に開催された同協会の第一二五回総会以降の諸事業の推進状況をはじめ、私学経営の充実に関する問題等を中心に当面する諸課題について報告した後は、文部科学省の磯田文雄私学部長が「私学をめぐる諸問題」と題する講演を行った。磯田私学部長は、私立大学が直面している状況を概括したうえで、私学助成並びに税制、学校法人の管理運営の改善等について解説し、森田支部長からの感謝の言葉をもって総会は閉会となった。
 その後は、支部の結束と一層の前進を誓う懇親会が催され、私学振興についての忌憚のない意見交換や情報交換が行われた。

九州支部

 宮崎市内のホテルで開催された今回の総会は、九州保健福祉大学が当番大学として準備を進めてきたもので、所属する四二大学から三一大学五四名の代表者らが出席した。
 はじめに、西村支部長が地方の私立大学が直面している厳しい経営環境に言及し、「私学助成の削減に関する問題をはじめ、第三者評価や定年制の問題など、さまざまな課題が山積している。各大学の代表者らが一堂に会するこの総会の総意を本協会の本部はもとより、文部科学省や政府に向けて発信していきたい」と挨拶した。続いて、当番大学を務めた九州保健福祉大学の南嶋洋一学長から歓迎の挨拶があった。
 協議では、同支部部則の改正を全員で承認した後、来年度の春季総会は、平成十九年五月十八日に福岡国際大学の当番のもとで開催することを決定した。また、同支部が当番を務める同協会の第一二七回総会については、同十九年十一月三十日に沖縄県那覇市で開催することを確認した。
 報告では、九月十四〜十五日に開催された事務研修会の総括と、五月十九日の春季総会以降に変更があった同支部所属大学の役職者が紹介された。
 本部報告では、小出秀文同協会事務局長が、私学振興の当面する諸課題について解説した。これに関連して、出席者からは「国立大学協会による、国立大学の推薦入試の定員枠の上限を五〇%に拡大することの決定は甚だ遺憾であり、善処を求めたい」などの意見が表明された。
 そして、マラソン選手で、現在は、九州保健福祉大学の客員教授の宗 茂氏が「経験を通して人を育てる」と題した講演を行い、閉会となった。
 引き続き催された懇親会では、活発な情報交換などが行われ、有意義なひとときとなった。

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