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「戦略的な人事管理マネジメントの構築に向けて 
   〜私立大学人事管理ハンドブック〜」刊行にあたって


 わが国の私立大学は、戦後の学制改革以来、きわめて顕著な拡充・発展を遂げてきました。高等教育の大衆化が進展する中で、大学数・学部学生数の4分の3を担当するに至った私立大学の役割はますます重要性を増してきています。まさしく私立大学なくしてわが国の高等教育は成り立たないのです。
 私立大学の重要性が増すにつれて、適正にして自主的な管理運営体制の確立が求められ、私立大学における事務運営の基本の確立と業務遂行上の規範の作成とが期待されました。
私立大学は教育基本法、学校教育法および大学設置基準等の国公立大学と共通の法令に基づいて設置されてはいますが、国公立大学とは異なり、それぞれの建学の精神に基づいた独特で種々多様な教育・研究や社会活動を推進しています。当然、国公立とは異なり、学校法人(私立大学)の管理運営については私立学校法、教職員の身分・社会保険・労働問題等については労働三法など民間企業とほぼ同じ法令下に置かれているため、管理運営上ないし事務処理上に種々の混乱や不明確さを惹起してきました。
 このような事情に鑑み、また加盟校からの強い要望もあって、大学事務に係る運営マニュアルの刊行が期待されましたが、包括する範囲が多岐にわたりなかなか容易ではありませんでした。しかし、当委員会は1972(昭和47)年から5年間にわたる研究・討議のすえ、大学事務に係る管理運営の基本を網羅した「大学事務運営要項―初版―」を1977(昭和52)年に刊行し、加盟校の好評を得ました。その後も約10年ごとに同要項を改訂し、加盟校のニーズに応えてきました。
 しかし、直近のわが国社会をめぐる構造改革の波は激しく、また世界的な大不況の影響を受けて失業者が増加し、労働者保護を目的とした労働法規の頻繁な改正が行われています。さらに、少子化等に伴って私立大学の半数が定員割れとなり、3分の1の大学法人が経常赤字に陥るなど、これからの経営革新が強く求められています。
 前要項が刊行されてから10年。本来であれば、全面改訂して提供すべきですが、当委員会での慎重討議の結果、優先順位の高い問題から順次「分冊版」として刊行することとなり、最初の分冊版のテーマを「戦略的な人事管理マネジメントの構築」とし、使いやすいハンドブック形態で刊行することとしました。今後の分冊版の発行計画は未定ですが、意のあるところをお汲み取りいただき、お気づきの点がありましたらご叱正をいただければ幸いです。
 最後に、執筆の委員をはじめ関係者のご努力に感謝を申し上げます。
2010(平成22)年3月
日本私立大学協会
大学事務研究委員会
担当理事 香川達雄(女子栄養大学)

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